株式会社よろぎ野.菜

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株式会社revotの霜村社長に聞く「現在の取り組みや農業用ドローンの未来について」

弊社が茨城県から採択された「DXイノベーション推進プロジェクト事業」は、株式会社revotの霜村社長と連携して進めていきます。

霜村社長は、現役大学院生として農業用ドローンの研究を大学や国の研究機関を進めつつ、会社を設立し、ドローンやロボットの開発・製造、プログラミング教室のコンサルティングなどをされています。

霜村社長に現在の取り組みや農業用ドローンの未来について伺いました。

【農家と研究者 両方の視点でドローンの未来を考える】
―――大学院では農業用ドローンの研究をしながら会社を設立されています。
筑波大学大学院(修士課程)では、2015年~東京大学や国の研究機関である農研機構との委託研究や共同研究で農業用ドローンを作ってカスタマイズしたり、実証実験をしたりのお手伝いをしています。

技術的なコンサルティングが具体的な研究内容です。大学院での農業用ドローン研究の派生で2018年7月、株式会社revotを立ち上げました。

―――会社を立ち上げてすぐによろぎ野.菜との出会いがあったと聞きました。
2018年の夏に会社を設立し1、2カ月後によろぎ野.菜の吉田社長にお声掛けいただきました。吉田社長と一緒に現場に出向き、農家さんのお話を伺うことで、どのように使っていて何が大変なのかを直接ヒアリングできて勉強になっています。

農家さんに具体的にどのようなサービスができるのかを考えられるようになりました。

―――大学院での研究にも生かせそうです。
大学では地上を自立して歩くロボットの研究をしていました。農業とは全く縁のなかった私がドローンを通して農業を見ると新たな発見があります。

ロボットはだいたい本番では動かないのがセオリーとしてあり、農業という過酷な環境だとデリケートな部分があり、動かす難しさがあると感じました。

農家さんと研究機関だと活用方法に違いがあり、研究機関はゲノムや品種改良などかなりミクロな部分に注目して利用していきます。農家さんは生産性や病気、見やすさなど育てている作物の生育に注目してドローンを利用しています。

―――使い方が全く違いますね。
そうですね。研究機関と農家さんの間に立って、両方の視点で考えるのが私の役目だと感じています。私自身も農業用ドローンを製造する立場にあるので、既存の製品にプラスαで解決できることはそのお手伝い、できない場合は今後、ゼロから作り出す取り組みをしています。

今後は農薬散布用のドローンを作る予定です。既存製品でも農薬散布はできますが、現在とても人気がありまして、予約購入して3ヵ月や半年も待つ状態が続いているので、自社生産もしていきます。

―――どのようなドローンを製造する予定ですか。
現在よろぎ野.菜で取り扱っているDJI製品のドローンは、管理したい圃場の座標をGPSに登録するために、毎回RTKという棒状のデバイスを圃場まで持って行く必要があります。

RTKとは、リアルタイムキネマティックの略でGPSから得られる位置情報の精度を上げるために使います。GPS搭載のドローンが2m単位で誤差が生じていたのを1cm単位に縮小させて補正を掛けてくれます。

ところが毎回、基地局を立てるのは生産現場ではかなり大変です。

日本のドローンは今、アメリカや中国からの位置情報を基に座標を取っていますが今後、日本の人工衛星「みちびき」の利用ができそうなので、RTKというデバイスを使わずに、「みちびき」を使うことでより正確な農薬散布ができるドローンを作ろうと考えています。

これができれば農家さんはより手軽にドローンを使えるようになりそうです。